初回投稿日:2019/09/16 最終更新日:2023/09/26
今週のお題「理想の老後」
ここ数年、考えていたこと。小学3年生くらいの私。中学2年生の私。高校生の私。短大時代の私。それぞれの私が今の私に会ったら、きっと悲しくて泣いてしまう。
だから、今の私もやがて過去になることを、彼女たちに伝えたい。そうして、できれば彼女たちと一緒に「理想の老後」について考えてみたい。
小学3年生の私にとっての理想の老後
9歳の私は、未来の私は、結婚して、2人の男の子を生むのだと思っていた。何歳頃に結婚するとか、細かいことまでは考えていなかった気がする。
9歳の私は、毎日が楽しくて。勉強も学校も友達も、それなり色々あったとは思うけれど、それでも、楽しい思い出ばかりだ。
想像するのは、平凡な未来。当時の自分の生活がそのままだった。
冬。こたつに入って息子たちがじゃれあいながらミカンを食べている。
私は、小さな台所で夕飯の支度をしている。温かい部屋。曇った窓。
私にとって、冬は、一年の中で一番温かい、家族団らんの象徴だった。
そのまま、年を取って、おばあさんになる。うららかな春。
縁側でお茶を飲んでいる、絵にかいたような老後を当たり前だと思っていた。
中学2年生の私にとっての理想の老後
老後の自分なんて想像していなかった14歳の私。ただ、ひたすら勉強すれば、違う世界に行けると思っていた。
未知の世界。未知の老後。とにかく、とにかく、今とは違う世界が自分を待っている。どこにだって行ける。何にだってなれる。
ナポレオンのように「不可能」なんてないと思っていた。がんばることが、全ての答え。未来の自分に早く会いたい。
今の私は、あなたに会うのが一番怖い。
高校時代の私にとっての理想の老後
この高校に入ったことが、親の自慢でもあったから、私が両親を幸せにすると思っていた。あっという間に平凡な生徒になってしまったけれど。それでも、未来は明るかったな。
高3の夏に父が失業して、進路変更を余儀なくされた。
私は、あの頃の私に会いたい。そしてじっくり話したい。
老後を迎えるまでの未来について。
自分で考えて。
自分とちゃんと向き合って。
人と比べない。
本当に好きなことは何。
短大時代の私にとっての理想の老後
仕方なく進学した短大。馴染めない学生生活。
お願い、誰か私をここから連れ出して。
気持ちのどこかで・・・現状は人に変えてもらうものと思っていた気がする。
真面目なだけの学生生活だったから、それなり頑張ってはいた筈だけれど。
あの頃の私は、理想の老後は理想の結婚の延長線上にあると考えていた。
そんな気がするけれど、本当のところはどうだったかしら。
あなたに伝えたい。幸せは、人にしてもらうものではないのよって。
現在の私にとっての理想の老後
父が亡くなって一人になった母のことを考える。今「老後」の時間を過ごしている母には、これからの時間に安心だけをあげたい。
それから、できれば、文章を書き続ける人になっていたい。どうでもいいような日常を丁寧に文章にして、残していく。
一人ぼっちでなければ、いい。
一緒にいる人は、男でも女でもかまわない。
気のおけない人であれば。
住むところの心配はしたくないな。
他のことはどうにでもなるけれど、居場所だけは確保しておきたい。
それ以上は望まないかな。
そして過去の私へ、今の私から
まだ、終わりじゃないから。もう少しだけ待っててね。理想の形は変わってしまっても、きっと「これもありかな」と思えるようにするから。
「なかなか面白そうだな」と思えるようにするから。
今はまだ、私は、過去の私に会うことはできない。でも、きっと「へえ。私の老後って、私の人生って、こんなかんじなんだ」って、受け入れられるような時間を生きるから。
あなたたちに会える自分になることが、私の理想の老後です。
もう少しだけ待っててね。