もくじ
福利厚生について(概要)
従業員として働いている方は「福利厚生」について考えたことはあるでしょうか。
私は、ほとんどありませんでした。
「福利厚生」には、「法定福利」と「法定外福利」の2つがあり、「法定福利」は大まかに言えば、社会保険*1のことです。
勤務先の一部が、これらの保険料の一部を負担してくれます。
私は、今まで、仕事を探すときに、この「法定福利」については確認しますが、「法定外福利」については、ほとんど意識したことがありませんでした。
現在の職場の福利厚生について
一昨日のことです。社長に来客がありました。随分長く話し込んでいる様子でしたが、突然、社長が応接室から出てきて「みなさん、ちょっと集まってください」と言います。
「少し、彼の話を聞いていただきたいんです」とお客様を紹介します。
保険屋さんでした。
彼は、少し興奮気味に言いました。「私は、初めてです。大企業でもこんな福利厚生はめったにありません。」
社長が、パートを含む全労働者のために保険に加入してくださったのです。今までは、ケガのみだったの保障だったらしいのですが、病気を含め、24時間、勤務時間であるかどうかを問わず、医療保障してくれる保険です。
病気の場合、入院の保障をしてくれます。検査入院から、がんなどでの長期入院まで。保険加入時に既に罹患している病気以外、全て対象。
ケガの場合は、入院・通院かかわらず、全てが保障対象です。
「急な体調不良などで、万が一入院することがあっても、お金の心配はしなくていいですからね」と社長。
ありがたいなあ、と思います。
現在の職場の福利厚生見直しのきっかけ
今年やっと5期目を迎える若い社歴のわが社では、長い社員でも勤続年数が、2年と半年ぐらいです。
会社創業後、初めて、健康診断を実施しました。
すると、皆、検査結果が芳しくありません。(私は、これから受診します。)
医師からの説明を聞いて、随分落ち込んだ社員がいます。
深いため息をついて「食べることだけが生きがいなのになあ。」相当ショックだったようです。
彼の息子さんは、この春、大学進学です。
そんな様子を見て、社長は決断したようです。
その保険には、親や家族の介護が必要になった時の保障もあります。それは、これから、そう遠くない将来、私が向き合わなければならない問題です。
社員が安心して働ける環境。社長は、それを提供してくれようとしているのです。そして、小さな子供にまだまだ手がかかるため、パートで勤務している人も同様の保障にする。
労働者は、全て平等に。それが社長の考えです。
個人的な思い
保険の営業の方が「こんなに手厚い福利厚生は、本当に珍しいんです」とおっしゃっていましたが、社長はいつもの調子で「これでみなさん、コロナに罹っても安心ですよ」などと言っています。
ご本人も、先日健康診断を受けたばかりで、随分と生活習慣を注意されたらしく、昨日今日と「どこのアホが、背油マンタンのラーメンなんか食べるんや!」
「どこのオッサンが、いい年してマイマヨネーズ持ち歩くんや!」
「全部、ボクや!」と叫びながら、事務所をぐるぐる歩き回っていました。
今日などは「ああ、もうボクの人生は終り。もう、野菜サラダと豆腐とナマコしか食べられん」と言っています。
「どうしてナマコなんですか?」と聞くと「僕が好きなの。お酒のアテになるでしょ?」
「飲んじゃだめでしょう?」
「・・・ビールはね。これからは、ハイボールとウィスキーしか飲めない」
どこまでが冗談なのか、どこまでが本気なのか、首を傾げたくなりますが、1つだけ確かなことは、従業員を大切に考えてくださっているということ。
保険屋さんが最後に「ただし、保険は使えば使っただけ、保険料は上がります。そのため、相談サービスも充実させています・・・」と説明されました。
が、保険屋さんが帰られた後、社長があらためて「皆さんは、気にしなくていいですからね。病院に行ったら、その領収書を僕に提出してくれたらいいですよ。遠慮はしないでくださいね」と言ってくださいます。
以前勤めていた会社は、「人財」と言う言葉を好んで使っていました。「君たち従業員は会社の宝だ」と。けれど、従業員の中には、会社の在り方、組織の在り方、人とのつながりに疑問を呈する人がいました。私も含めてです。
ある年の会長の年始の挨拶の中に「よく、会社の不平不満を口にする社員がいますが、そのような社員は無理をして会社にいる必要はありません。不平不満を言いながら会社に居続けて、会社の恩恵を受けているのは、他の社員にも失礼です」という言葉がありました。
私は、自分に自信がないため、そんな会社に何年も居続けたのです。もう無理だ、と逃げ出すくらいのハラスメントを受けるまで。
今、あの頃のことを思い出し、私に責任を転嫁した人、嘘をついた人、陰湿で悪質な嫌がらせをした人達、全ての人や事に感謝します。
あれがなければ、私は決心ができなかった。違和感を感じながら、あと一年、あと半年、と重い身体を引き摺りながら、まだ、あそこへ勤めていました。
全社向けの掲示板で「全社員対象、入会金割引」の告知があり、熱心に勧誘されたのでフィットネスクラブに入会したら、入会後に「あなたは対象外と言うことでした」と一般価格に変更されたこともありました。私が契約社員だったからです。
今、やっと会社の福利厚生の意味を知ることができました。幸せなことだと思います。
【過去記事】
i-am-an-easy-going.hatenablog.com