迷子の日記。行ったり来たり。

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ある水曜日の街の景色

                                <a href="https://www.photo-ac.com/profile/2646221">Beincamp</a>さんによる<a href="https://www.photo-ac.com/">写真AC</a>からの写真

朝8時前

信号待ちの車はわずか

すれ違った自転車は2台

 

水曜日のラッシュアワー

ふらふらと彷徨う青年

 

道沿いのラーメン屋の軒先に

しゃがんだ彼と

ふいに目が合う

 

のっそりと彼は立ち上がり

薄笑いを浮かべて 

私の方へ向かって歩き出した

 

紫のスウェット

伸ばした髪を一つに束ね

両手をズボンのポケットにつっこんで

 

珍しそうに 

見慣れた景色に溶け込めない

新参者の私を見詰めながら

 

急に私は怖くなる

 

信号が青になった瞬間

私は駆け出した

 

全身が軋む

ぎしぎしと

鉛のように重い身体を全力で引き摺って

バス停まで

走った

 

帰宅して母に話すと

「彼は優しいのよ。普段はボタン式信号機の前に座っていて、お母さんが自転車で近づくと、何も言わずにボタンを押してくれるの」

 

私には灰色に見える

朝寝坊になった街の景色は

 

彼には

どんな風に見えているのだろう 

 

色を失くした街並みに

紫のスウェットが

急に鮮やかによみがえり

 

まぶしくて 

私は

ふいに色づいた街の中佇む

モノクロの自分が恥ずかしくなった

 

【過去記事】 

i-am-an-easy-going.hatenablog.com

 

i-am-an-easy-going.hatenablog.com

 

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