初回投稿日:2020/09/05/115344
今日、歓迎会でした。私の。
夕方6時。
定時後から、お弁当を取って、軽くビールで、という。
お気遣いなく、と言ってはみたものの、現在、インターンシップの学生も迎え入れているので、彼らの歓迎会も兼ねているから、業務命令だと。
インターンシップの学生の指導を頼まれて、昨日一日、女子学生と共に過ごしました。
彼らは、今日はゼミで、日中は不在。
リクルートスーツを脱いで、カジュアルないで立ちで6時ごろ事務所を訪れた。
「あら、お疲れ様」と声をかけたけれど、反応がありません。
社長や、リーダーなど他の社員には、笑顔で挨拶しているのに。
結局、きつねにつままれたように、会が始まるまで、無視されたままでした。
二人いて、二人ともだったので、彼らには私の姿が見えていないのかと不安になるほど。
1時間遅れの7時。
呼ばれて会場に行くと、調子よく先輩社員と話していた彼らが、「あ、どうぞこちらへ」と笑顔を向ける。
お茶を注ごうとペットボトルを手に取ると「あ、ボクが」と言って、すっくと立ちあがる。
「大丈夫です」と言っても「いえいえ、ボクが」ちゃらっとした調子で、ペットボトルを奪って離さない。
何もこんな嫌な書き方をしなくても、よくあるシーンです。
それなのに、私は、何とキレてしまったのです(-_-;)
インターンシップの学生の一人が、コピーバンドを組んでいて、RADWIMPS(ラッドウィンプス)の曲を唄うんだ、ボクがボーカルだ、と話したのですが、社員のほとんどがRADWIMPS(ラッドウィンプス)を知らない。
私が「『君の名は』が良かったんです」と話すと、社長が「あれ?君は中島みゆきじゃないの?」
瞬間に、初日のことを思い出します。
初出社で出張。
その出張先で、私を紹介するとき「年取ってますけど、新入社員です」
そこから、出会う人、出会う人に、いちいち私の年齢を言う。
ここには書けないけれど、差別用語もバンバン。
「その言葉は、言ってはいけない言葉ですよ」と言うと、「つまらないところにひっかかるな」と睨まれて。
業務別のグループLINEが7つ。
その全てに参加させられ、早朝から真夜中まで、仕事のメッセージがどんどん届く。
一日勤務を終えたら、全社員あてに、業務報告のメールを入れる。
そのとき、必ず、反省文を記載しなくてはならない。
出勤前には、今日一日の予定を全員にメールで送る。
そのメールには、夜中に届いていたLINEの内容と、各メンバーから届いた前日の全ての反省に対してのコメントを記入する。
「お疲れ様です」は使わない。
代わりに、会社独自のあいさつのことばがある。
事務所への初出勤の日(出社2日目)、初日に受けた洗礼で、出社早々の私の表情が硬かったようです。
マスクをしているので口元は隠れていますが、目が笑っていなかったらしい。
朝会で、女子社員から、そのことを指摘されます。
「にこやかな笑顔が、他人を幸せにするのです」
長ーい唱和の中に「あなたをヒーロー、ヒロインにすることで、私がヒーロー、ヒロインになれるのです」というくだりがあります。
無理かも・・・たった三日で限界に来ていました。
社長の辞書には「コンプライアンス」の文字がない。
リーダーの学歴。庶務担当の女性の勤務評価。なんでもかんでも、ぺらぺらと私に話した・・・ということは、私のことも話しているのでしょう。
ずいぶん、話が行ったり来たりしてしまいました(^-^;
話戻って、RADWIMPS(ラッドウィンプス)の話題が出たときのことです。
「あれ?君は中島みゆきじゃないの?」という社長に、
「そう言うのセクハラになりますよ。止めていただけますか?」ニコリともしないで返してしまいました。
それから、何を思ったか、社長が始めたのが、お総菜のパックを並べて「ナニ選ぶ?」
その人が選んだお総菜を当てた人に社長が千円くれるというゲーム。
私の番になった時、男子学生が、「さっきから、ものほしそうにこっちを見てたから、この、から揚げ!」
受けを狙って言ったのでしょう。
でも、私は、鷹揚でいられませんでした。
「私は、あなたの方なんて見ていません」いらない一言を敢えて言う。
その後に、お茶、だったのです。
私のせいで何となく空気が悪くなって、それでも、帰るわけにはいかないので、私は立ち上がって、ペットボトルのお茶のところに行きました。
2リットルのお茶を持ち上げようとすると、くだんの男子学生が素早くペットボトルに手を伸ばす。
「ボクが注ぎますよ」
私が「大丈夫です」と言うのに「いえ、ボクが」とすっくと立ち上がった彼に、「ありがとう」と調子を合わせることができません。
さらに気まずい空気が流れる。
その前に、業務時間中に少しだけ、リーダー格の男性社員と話す機会がありました。
滞っていた業務を締め切りに間に合わせるため 、私が手を入れた内容、進捗とこれからの作業についての思想とについて確認したのですが、その後、少しだけ、現状への戸惑いを話したのです。
業務効率を敢えて下げるような、ルーティンが多すぎること。
洗脳に近い企業文化。
コンプライアンス無視の日常。
・・・馴染むことが難しいと。
そういう時間が持てていたことが唯一の救いでした。
私が悪くしてしまった場の空気を和ませるように、あれやこれやと話題を提供してくれて、その後しばらく、とりとめのない話が続きます。
そんな時、ふと、一番年長の社員が「あれ?雨が降ってる?」と言って窓の方に立ち上がりました。
私は「今しかない」と、そのタイミングで、バスの時間がないことを言い訳に、彼を追いかけるように立ち上がり、バタバタと荷物をまとめたのです。
社長とリーダーは、たばこを吸いに中座していて、見計らったような去り方になってしまいました。
残った人たちには、そのときばかりは、申し訳ないと丁寧に頭を下げたのですが、なんだか、境界線を踏んでしまったような気分です。
そのまま、進んでしまおうか。いや、戻った方がいい。
それでも、そのタイミングを逃せば、一時間先までバスはなく、それが最終便になります。
バス停に急ぎながら、今朝、6時過ぎに社長から届いたLINEを思い出していました。
前日、学生に業務を説明した部屋のエアコンが切れていなかった、というメッセージ。
面倒くさいなあと思いながら、通勤バスの中で返信しました。
「退出時、私が全て確認し、施錠しました。エアコンを切ったことも確認したつもりでしたが、確認の仕方が甘かったと反省しています。申し訳ありませんでした」
すぐに、社長から返信が届きます。
「リモコンは反応しないときがある。室外機の確認を忘れないように」
一体、エアコンを消す時に、室外機まで確認する人がどれくらいいるのでしょう。
そんなことを思い出しながら、気まずい数時間を一刻も早く忘れ去りたいと痛切に感じました。
月曜日までに、気持ちが上手く切り替えられるだろうか。
踏んでしまった境界線は、高い敷居に変ってしまいました。
こんなこと、文章にして残したことも後悔してしまいそうな、今日は、そんな日でした。
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