迷子の日記。行ったり来たり。

本当に本当に本人以外にはどうでもいいようなことをつらつらと書き連ねています。このブログにはアフィリエイト広告を使っています。

2025年7月11。今が一番若い

先月の22日にヘアカットしたばかりなのに、母の髪はもう伸びています。
襟足あたりがもぞもぞしていて、そろそろまた切る時期かなと考えていた昨日、母の少し険しい声が飛んできました。

「あなたねえ、ヘアカットバサミ一式買ったでしょう?使わなきゃ上手くならないわよ!お母さんを練習台にしなさいって言ったでしょ!」


一昨日には3、4ヶ月ぶりで入浴してご機嫌だった母が、昨日の朝、トイレに間に合わず失敗してしまいました。
強い臭いがしていましたが、おそらくおしっこの方。
めずらしく自力で起きたかと思えばこの展開…。
ついイライラしてしまい、「汚れたものを洗濯機には入れないで!新しいの買うから全部さよならして」と、少し強く言ってしまいました。

言いながら頭の中で「感情的になってはダメ」と何度も唱えましたが、起き抜けにはなかなか難しいものです。
優しいなぐさめの言葉の代わりに口をついて出た言葉に自己嫌悪に陥ります。


一呼吸置いて洗濯機に向かう頃には「まあ、おしっこだからいいか」と思い直して、結局汚れたパジャマと下着を洗濯機に入れました。
いくら手頃価格で買ったものでも、粗相の度、買い替えていたら出費もばかになりません。
洗濯機のスイッチを押しながら、母に可哀想なことを言ってしまったと反省しました。

 

もしかすると、母もそんな私の言葉に腹を立てていたのかもしれません。

 

私は「あら、お母さん。先月の終わりにカットしたばかりよ。ハサミは結構使っているわ。私がなかなか慣れなくて少しずつしか切れないから、すぐに髪が伸びてしまうのね」と言ってから「今日切ろうか?」と聞いてみました。
「お願いします」かしこまって答える母がおかしくて、ちょっと笑ってしまいました。

お昼過ぎ、玄関先に新聞紙を敷き、台所の椅子を出してヘアカットの準備を整えます。
襟足を3センチほどカットして、ブロッキングした毛束を3段階に分けて1センチくらいずつ慎重に切っていきます。
最後にすきばさみで全体のバランスを整えて、前髪もほんの少し短くしました。
何回カットしてもどうしても怖くて手を入れられないのが耳の周りです。
それでも首元がすっきりしたことで母は満足したようで、「まあ、気持ちがいいわあ」と言ってくれました。


ケープを外すと、少し汗ばんだ首元に落ちた髪の毛がTシャツの上にぱらぱらと散りました。
髪の毛は体にも衣類にもくっつきやすく、取りにくいものです。
少し迷いましたが、適当なブラシが見当たらないので、私の肩払い箒を持ってきて母の首元から上半身を優しく払いました。

帚は長年私が愛用してきたお気に入りのものですが、これからは母のために使うことになるのかと思うと、ほんの少しだけため息が出ました。


20代の頃、エッセイストの俵萌子さんの講演会を聞きに行ったことがあります。
そこで俵さんがおっしゃった「今が一番若い」という言葉がふいに思い出されました。
「思い立ったが吉日」の意味で使われたその言葉は、「やりたいことがあるなら、迷わずすぐにやりなさい」と当時の私の背中を押してくれるものでした。


今、改めてその言葉について考えます。
高齢者の介護もまた「今が一番若い」。
ただ、あの時に聞いたものとはまったく違う響きで胸を打ちます。

 

今が一番若い──先のことよりも、目の前にある“今”に向き合う。
それが今の私にできる最善なのかもしれません。

 

【以前紹介したヘアカットグッズの記事はこちら】

i-am-an-easy-going.hatenablog.com

【お気に入りの肩払い(洋服用ブラシ)】

コートやスーツの埃払い用小帚です。
白木屋傳兵衛さんの箒が大好きで、テーブル箒や江戸帚(長柄箒)、はりみ(ちりとり)、はたき、たわし…いろいろ愛用しています。