✨はじめに:AIで物語を書いてみたら…
ふいに、ぽっと空いた時間ができたとき、何をしようかと考えて、ふと、生成AIってどんな創作文章ができるのかしら、と思いつきました。
私が使っているのは、MicrosoftのCopilot AIです。試しに「ショートショートって作れる?」と聞いてみたら、瞬く間にSF、ホラー、ファンタジーなど、ジャンルごとにあらすじを提案してくれました。どれもなかなか面白くて、思わず「これを物語にして」とお願いしてみたのです。
そのなかの1つが、今回の小説のベースです。
……そう、残念ながら、AIが作った本文は、混迷していて秀逸とは言い難い。
気づくと、まるで新しいおもちゃを見つけた子どものように、夢中になって文章をいじっていました。
AIが出してくれた骨組みを、組み替えたり肉付けしたりする作業は、想像以上に楽しいものでした。
白紙の状態から一人で書き始めるのは難しかった私が、こんな風に小説の体裁で文章を書けたことは、なにより貴重な経験です。
🪞ショートショート:『鏡の向こうの私』
祖母の遺品の壁掛けの鏡は、重厚な木彫りの縁取りが施されていた。表面には細かな傷が刻まれていて、時代を感じさせる。私はその鏡を寝室の壁に掛けた。
祖母は、静かな人だった。多くを語らず、けれど私の話にはいつも耳を傾けてくれた。大学進学に迷ったときも、初めて失恋したときも、祖母は黙って隣にいてくれた。
祖母が亡くなったのは、私が転職して半年が経った頃。新しい職場では、成果を求められるばかりで、人間関係は希薄だった。祖母の死を知らせる電話を受けたとき、私は会議室で上司に叱責されていた。
いつからか私は、祖母の鏡に触れながら、その日あったことを鏡に語り掛けるのが日課になった。鏡の縁をなぞりながら話していると、祖母に秘密を打ち明けているような気分になれた。祖母の鏡は、祖母のように、ただ黙って話を聞いてくれた。
鏡に違和感を覚えたのは、ある夜のことだった。
ベッドに腰かけて、ふと鏡を見ると、鏡に映る私の動作が微かに遅れているように見えた。まばたきのタイミングや、首の傾きがほんの少し違っている。
「気のせいよね」
そう言い聞かせて横になったが、翌晩、その次の晩、と鏡の中の私と現実の私の間のズレは少しずつ大きくなり、やがて鏡の中の私は、“私に似た誰か”になっていった。
ある夜、私は思い切って鏡に問いかけた。
「あなたは誰?」
鏡の中の彼女は、ただ微笑むだけだった。何度聞いても、答えない。
やがて私は、挨拶するように、毎日鏡に声をかけるようになった。
「あなたは誰?」
彼女は私が読む本を手にし、私と同じ服を着て、私と同じ髪型をしていた。当たり前のことだ。彼女は鏡の中の私なのだから。
ある晩、彼女が初めて口を動かした。声は聞こえない。だが唇は、確かにこう動いていた。
「そっちの世界の方が面白そう」
私は凍りついた。彼女は“外”に出たがっている?
「あなたは誰?」
いつもの問いに、初めて彼女は声を出した。
「私はあなた。でも、そこにいるあなたじゃない。もっと自由なあなたよ」
咄嗟に私は首を振って叫んだ。
「違う。私は私よ。別な私がいるわけないじゃない」
彼女は嘲笑った。
「あなたが信じている現実なんて、あなたが作ったちっぽけな世界に過ぎないわ。あなたが唯一の”あなた”ですって?思い上がりも甚だしい」
次第にヒートアップしていく彼女を見ながら、眩暈がした。
気を取り直したように、彼女は囁く。
「ねえ、一度、入れ替わってみない?あなたはこっちへ、私はそっちへ。こっちは、時間も痛みも何もないの。もう悩んだり寂しがったりしなくて済むわよ」
黙っていると、なおも彼女は囁き続ける。
「お互いの世界を知れば、きっともっと幸せになれるわ。自分にふさわしい世界があることを知るために、ねえ、入れ替わりましょうよ」
奇妙な提案は、とても甘美に響いた。仕事にも人間関係にも悩み疲れて、祖母を失くした寂しさは埋まらず、未だ将来の展望のない私にとって、“もう一人の私”が差し出す世界は、最高の逃避先への招待のように思えた。
……これは夢。受け入れても拒んでも、朝にはきっと元通り。
そう思った瞬間、「ありがとう。ようやく自由になれたわ」彼女の声がはっきりと聞こえた気がした、いや、あれは私の声?
翌朝、目覚めると、周りには何もなかった。机も、ベッドも、クローゼットも、祖母の鏡さえも……一切のものが消えていた。
慌てて起き上がろうとした瞬間、頭上から声がした。「そちらの世界はお気に召して?」
叫ぼうとしたが、声が出ない。手を伸ばすと、ひんやりと冷たく硬い何かに触れた。
鏡。木の縁取りがある。祖母の形見の鏡だ。恐る恐る覗いてみると、私の姿が映った。……いや、これは私じゃない。私はここにいる。ここにいるのが、私だ。鏡に映っているように見えるのは、鏡の向こう側に行った、私と入れ替わった彼女だ。
鏡の向こう側に行った彼女は、完璧に私の生活をこなした。誰も違いに気づかない。友人も、同僚も、家族さえも。
私は、鏡の中から見つめ続けた。彼女が“私”になっていく瞬間を。
ある夜、彼女が鏡に向かってつぶやいた。
「ねえ、あなたは本当にオリジナル?」
私は答えられなかった。
本当の私はどちらだったのか。そもそも“本当の”私なんているのか。
今はもう何も分からない。どちらが鏡の中で、どちらが鏡の外なのか。閉じ込められたのか、入れ替わったのか。
鏡を覗いてみても、同じ表情、同じ仕草の”私”がいるだけなのだ。
🎈おわりに:創作って、こんなに楽しいんだ
出来上がった作品は、まだまだ拙い部分ばかりで恥ずかしくなります。
ただ、小説執筆のチャレンジさえできなかった私にとって、AIとの共同作業は大きな助けであり、大袈裟に言えば、新しい扉を開いてもらった気分です。
創作ってこんなに楽しいんだ、と改めて感じることができたのは一番の収穫。
すき間時間で、あれこれ組み立てていけるのも魅力です。
AIとの創作は、まだ始まったばかり。これからも、いろんな物語を一緒に紡いでいけたらと思っています。
もし創作に一歩踏み出せずにいる方は、AIとの対話から始めてみるのもおすすめです。
Copilot AIが提案してくれたあらすじは、以下のようなものでした:
Copilot AIの作ったあらすじ
古い鏡を譲り受けた女性。夜になると鏡の中に「もう一人の自分」が現れ、少しずつ彼女の生活を真似し始める。やがて鏡の中の彼女が「こっちの世界の方が快適そう」と言い出し、入れ替わりを提案してくる。
テーマ:自己と他者の境界
オチ:鏡の中に閉じ込められたのは、果たしてどちらだったのか…
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