迷子の日記。行ったり来たり。

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猫の政(まつりごと)

『猫の政(まつりごと)』

日本の政界に激震が走った。総理大臣・田中は、突如「猫に政治を教わっている」と記者会見で発表したのだ。


「この国をまとめるには、猫のような気品と気まぐれさが必要なんです」


記者たちはざわついた。
SPたちは猫を警護対象に追加した。

猫の名は「ミケランジェロ」。
三毛猫で、年齢不詳。

総理官邸の屋根裏に住み着いていたところを、田中総理が「この猫、ただ者じゃない」と直感し、政治顧問に任命した。


ミケランジェロは言葉を話さない。だが、田中総理は「彼のまばたきと尻尾の動きで、すべてを理解できる」と豪語した。


■第一の教え:「人心は餌で動く」
総理は国会で「国民にカツオ節を配るべき」と提案。野党は猛反発したが、なぜか支持率は急上昇。国民は「カツオ節、ありがたい」「猫の言うことは信じられる」とSNSで拡散。経済効果もあり、カツオ節関連株が爆上がりした。


■第二の教え:「気まぐれこそ信頼の鍵」
総理は閣議に遅刻し、突然キャンセルしたり、逆に深夜に招集したりした。官僚たちは混乱したが、国民は「猫っぽくてかわいい」と評価。政治がエンタメ化し、国会中継の視聴率が紅白を超えた。


■第三の教え:「撫でたい者に撫でさせるな」
総理は海外首脳との会談で、握手を拒否し、代わりにミケランジェロを抱いて登場。各国首脳は猫を撫でようとしたが、ミケランジェロは絶妙なタイミングで逃げる。結果、外交的優位に立つという謎の現象が起きた。


■第四の教え:「睡眠第一!昼寝のススメ」
総理はある日、国会答弁中に堂々と昼寝を始めた。議長が注意すると、ミケランジェロが議長席に飛び乗り、威嚇した。議長は「猫様のご意向に従います」と言い、昼寝タイムが制度化された。


こうして日本は、猫の教えによって前代未聞の安定と混乱を手に入れた。

ある日、総理が記者にこう語った。
「政治とは、猫のようにしなやかで、気高く、そして時に爪を隠す*1ものなのです」
記者は「それ、猫が言ったんですか?」と聞いた。
総理は微笑んだ。
「いや、彼がトイレの砂をかける仕草で教えてくれました」

 

**あとがき**


他人に話せば荒唐無稽で一笑に付されるような空想の世界も、形にする方法が、実はあります。

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*1:上手の猫が爪を隠す(類義語)能ある鷹は爪を隠す