迷子の日記。行ったり来たり。

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【おすすめ映画】『彼女がその名を知らない鳥たち』は美しいホラー

初回投稿日:2020-08-10 21:10:12

原作者は沼田まほかる

彼女がその名を知らない鳥たち』は蒼井優さんと阿部サダヲさん主演の映画です。

公開されたのは2017年の秋で、原作は沼田まほかるさん。

沼田まほかるさんは、「イヤミスの女王」とも呼ばれています。

湊かなえや真梨幸子らとともにイヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の女王とも呼ばれる。

沼田まほかる - Wikipedia

 

沼田まほかるさんの作品は「ホラー・サスペンス」に分類されることがあるほど怖い。

 

美しいタイトルに惹かれたのですが、原作者に気づいていたら観ることはなかったかもしれません。

 

映画の終りは確かに「イヤミス」、決して後味が良いとは言えないものでしたが、どこか清々しい。

言いようのない切なさに包まれる映画でした。

 

『彼女がその名を知らない鳥たち』は阿部サダヲと蒼井優が紡ぎ出す美しいホラー

映画を観ながら、ふと、中原中也の『夏』という詩の一節を思い出しました。

血を吐くような 倦(もの)うさ、たゆけさ

『彼女がその名を知らない鳥たち』は、この「血を吐くような 倦(もの)うさ、たゆけさ」が、全体を覆っている映画です。

 

彼(佐野:阿部サダヲ)は、痛々しいほどに優しく彼女(十和子:蒼井優)に尽くします。常に別の男性を求め続けている彼女を誠心誠意愛し続ける。

 

阿部サダヲさんは、彼を「いじましい(いじけた)」とか「哀れ」とか「みじめ」といった形容のほんの僅か手前で演じています。

悲劇的なラストシーンが無償の愛の成就とも解釈できる心打たれるシーンになっているのは、阿部サダヲさんの匙加減が創り出した妙味と言えるでしょう。

 

本作には、松坂桃李さんや竹野内豊さんも出演なさっています。

彼らの役にも目を見張るばかりです。

ファンの方は十分に注意してご覧ください。