【本の紹介】『82年生まれ、キム・ジヨン』を完読できなかった理由について
初回投稿日:2019/09/27 最終更新日:2023/09/27
もくじ
この本について(あらすじではありません。)
今すごく流行っているそうです。
名前の表記に馴染むまでには少し時間が必要でしたが、描かれている情景は、この小説の時代設定の約20年くらい前の日本と似ていると思いました。
フェミニズム<ジェンダー<男尊女卑、そういった問題を背景にもつ小説です。
主人公の名前は、韓国で一番多い名前だそうです。裕福ではない家庭で育ったことも、おそらく、標準的で平凡な人物像にしたかったからだと思います。
そうすることで、主人公が感じた生きづらさ自体が、一般的な状況であるとうかがわれます。
訳者は斎藤真理子さん。
「訳者あとがき」にもありますが、昨年(2018年)3月、Kポップのガールズユニットのメンバーの一人が本書を読んだと発言したことに対し、一部男性ファンが「(彼女が)フェミニスト宣言をした」と激しく反発した動画を投稿したそうです。
日本におけるフェミニズムの現状
日本は、表面的には均等法も定着し、女性活躍社会が標榜されていますが、根底にはまだまだ男性社会の問題が存在している気がしています。
少なくとも、当時(男性中心社会の時代)の男性が現在の企業の会長や社長などに残っている企業では、確実に男尊女卑の色があります。
今の職場では、「お茶くみ」の言葉は消えても、所長の来客にお茶が出なければ所長は女性社員を怒鳴ります。
自分の意見に反論や質問する(彼らは質問も「異論」と捉えたりする)女性社員に対しては、扱いづらいとそばに寄せたがりません。
いつでも笑顔で「はい」と言い、自己主張をしない「女の子」社員が受けが良く、同世代であっても主義主張のはっきりしている女性社員は、苦しそうです。
完読できなかった理由
今、国と国との関係が、もう飽きるくらいの何度目かで悪化しています。気に入らない相手、意に沿わない相手は、たとえそれが自分の好きなアイドルであっても激しく反発、排斥しようとする。
共感できる作品ながらも、何となくページが進みません。
図書館で借りていて、今日が返却日。話題性からか、貸し出し予約がたくさんあるので、悪あがきせず、一旦読むのを止めることにしました。
私の生活が落ち着いて、私自身のキャパシティがもう少し安定して余裕ができる日がきたら、もう一度、読んでみることにします。
読み忘れがないように、わたしは、iphoneアプリの「ビブリア」を使っています。