初回投稿日:2019/12/18/234735
親戚の犬
私はペットを飼ったことがありません。厳密に言えば、犬や猫を飼ったことがない。あるのは、夏祭りの金魚。ひよこ。公園で捕まえたクワガタ。カブトムシ。
犬や猫を飼ったことがないのは、小学生までは公営の団地に住んでいてペットは禁止されていたから。それと、私が小児喘息で、動物の毛は良くない、と医者から言われていたためです。
中学1年生の時、一度だけ、親戚が旅行に行くので飼っている犬を1週間預かったことがあります。
雑種でした。叔父が犬小屋付きで連れてきました。その頃は、室内飼いより庭に犬小屋を準備していた方が多かったような気がします。
叔父の家では、ずっと犬や猫を飼っていて、躾もきちんとされていました。
私は、もうメロメロで毎日毎日、急いで学校から帰って散歩に行ったり、庭先でじゃれていました。
叔父たちが連れに来る日の朝、いつもは朝食をせがんで遠慮がちにワンワン言っていたのに、その日に限って声が聞こえません。
母が皆を呼びます。
庭を見ると、犬小屋の中に敷いていた座布団を外に引っ張り出して、その上にちょこんとお座りをして、しっぽを振りながらずっと家の中の方を見ていたのです。
わずか1週間とはいえ、すっかり情が移ってしまって本当に辛い別れでした。
ペットとの正しいお別れの仕方
お昼休憩の時間、同僚が「つい最近、ゴミ捨て場に犬(の亡骸)が捨てられていた」と話し始めました。
段ボールの中に布でくるまれて、お花が添えられていたそうです。
彼女は、気になって段ボールを覗いて唖然としてしまったらしい。自分の町内ではなく、通勤途中でもあったので、気になりつつそのまま出勤したとのことでした。
帰りには、ゴミ捨て場の少し脇に箱が移動されていて、数日後には箱はなくなっていたそうです。
「何て無責任な」「ひどい話ですね」口々に言っていたとき、一人の人がふと「でも、年を取ってペットを亡くすと、どうしていいか分からないのよねえ」「運転ができなければ動物の斎場にも連れていけないし、保健所に連絡すると、対応に1~2万かかるはずだから、経済的に厳しい人もいるのよ」と言います。
彼女はボランティアで保護犬や保護猫を引き取り、病気やケガの治療、去勢手術など行い、他人を傷つけないように躾けてから里親を探してあげているそうです。
ペット移動火葬車
一見、無責任に思われる亡くなったペットとのお別れの仕方ですが、様々な事情があるのだと彼女の話を聞きながら思いました。が、飼い主の事情を斟酌していては、問題は解決しようがないような気もします。
「この間、びっくり仰天したのよ!道路に車が止まっててね、普通の公道よ、そこで簡易な祭壇みたいなものが準備されてね、どうやら動物を火葬してるのよ」
へっ!?
皆、一瞬絶句します。
「移動火葬車よ」
ビジネスへの発想をした人はスゴイ…。
利用した方の多くは、それでも、きちんと家族の一員であったペットとのお別れができるので、次の子をお迎えして前向きに新しい生活に向かえるそうです。
ただし、どうしても火葬の臭いや車で動物を火葬すること自体に拒絶感を示す方も多く、しばしば近隣トラブルもあるようです。
私は、遠くない将来、実家に戻る予定です。そう決めてから、母はソワソワとほぼ毎日電話をかけてきます。近所へも「娘が帰って来てくれるの」と言って回ったそうです(^-^;
母は、動物を飼うことに賛成しませんが、私は、いつかのタイミングで母との生活の間に新しい家族を迎えたいと考えています。
ですが、飼ってもいないうちから気がかりなのはペットが亡くなった時のことでした。私は「移動の自立」ができていません。自動車の免許はあっても、運転していないし、運転の自信もないのです。
移動火葬車のサービスを知った時、(サービスを利用するしないに関わらず)ペットを飼ってもきちんとお見送りができると安堵しました。
それにしても、世の中にはいろんなサービスがあるものです。生きている上で疑問に思ったり、不安に感じたりしたことは、どんな些細なことでも新たなビジネスの種になるのですね。
サービスに対する批判や疑問は当然あると思います。私も、最初聞いたときは、かなり引きました。
けれど、家族同然に暮らしていた動物をゴミとして出せるものだろうか。私には無理です。
但し、いくらゴミとして出しづらくても、ゴミ捨て場に亡骸を段ボールで置いておいて、他人が処理してくれるのを期待するのは、やはり無責任です。
人間と同じように斎場でお葬式を挙げる人もあるようですが、確かに経済的に誰もができることではなさそうです。
かと言って、保健所に連絡するのも、ゴミに出すのと同じくらい躊躇するものがあります。手数料のことを除いても。
同僚の一人が「子供の頃、お父さんが、自然に帰してやる、と言って裏山に犬を埋めた」と言っていましたが(それが合法かどうかも分かりません)、マンションやアパートに住んでいては、地面に埋めることもできません。
そんな風に考えると、堂々巡りで答えは見つからないのです。
ペット移動火葬車はきっと、そんな声の中から生まれたサービスなのでしょう。
移動もままならない。ゴミのようには扱えない。けれど、このまま放置しておくわけにはいかない。そんな人のところまで出向いて、ペットとのお別れをさせてくれる。
近隣の問題。車中で亡骸を火葬するという行為に対する倫理の問題。
今後、サービスが普及すればするほど、批判や疑問など多くの課題が湧いてくるでしょう。
それら多くの課題が、ペットの移動火葬サービスを発展させるための良い肥やしとなって、動物との共生を縁(よすが)とする人たちに寄り添える成熟したサービスになってほしいと思います。
ペットに関するサービスは他にもまだまだいろいろあるようです。
【ペット葬儀110番】 なら、犬、猫だけでなく家族として慈しんださまざまなペットとのお別れを、日本全国年中無休(24時間対応)で受付けてくれます。
葬儀費用は体重による価格設定なので、追加費用の心配もありません。安心して依頼できます。
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