【どうでもいいけど忘れたくない話】こども編
同僚の一人には、お子さんが二人います。男の子です。上の子は確か9才。最近難しくなってきたのだそうです。
下の子は5才くらいだったと思います。
一生のお願い
先日、彼らの好きなお菓子を買って、それぞれに渡したところ、お兄ちゃんは大事にとっておいて、弟はすぐに食べてしまった。
弟「ねえ、ねえ。お兄ちゃん、いっこちょーだい」
兄「だめだよ。お前はすぐ食べてしまうからそうなるんだ。ちゃんと残しとけよ。」
弟「うーん。お願い。一生のお願いだから、ちょーだい」
さすが、お兄ちゃんです。しぶしぶながら、弟にお菓子を一つあげたらしい。
兄「さっき、一生のお願いって言ったな。二度とあげないからな」
弟「うん。ありがとう♪」
その後、弟は何やら独り言をぶつぶつ言っている。よく聞いたら
弟「ママにはこの間使ったし…お兄ちゃんにも使ったから…。あとは、パパのが残ってるな、一生のお願い」
イケメンですね
かの弟君のお話です。彼は、お買い物についてきてお菓子を買ってもらったら、必ず、レジでお願いして、別の袋に入れてもらって持って帰るのだそうです。
先日、いつものようにレジに並んで、順番が来ました。
弟「これだけ、別の袋に入れてください」
店員さん「はい」
とても若い男性で、アルバイトなのか、動作が全てぎこちない。一つ一つ、商品を丁寧に袋に入れてくれている。
弟「(唐突に)おにいさん、イケメンですね」
店員さん「・・・(無言)」
弟「おにいさん、ほんとうにイケメンですね」
店員さんは、笑顔ともつかない微妙な表情をしながら、さらに動作がぎこちなくなって、レジにとても時間がかかっている。
そんな状況で、彼女は緊張している店員さんに声もかけられず、子供にも何も言えずににいたところ、
弟「ねえ、ねえ、ママ。このお兄さん、イケメンだよね」
そうね、とも、黙りなさい、とも何故か言えないで、おたおたしてしまい、店員さんの顔をまじまじと見ることもできず、なんと彼女も硬直してしまったらしい。
あとで思い出せば、確かにすっとして、見た目の良い店員さんだったそうです。
けれど、情けないことに、唐突な子供の発言に驚いてしまって、ただオロオロするばかり。
「イケメンなんて言葉、いつ覚えたの!?」頭の中はちょっとしたパニックだったそうです。
どうでもいいけれど忘れたくない話
他愛もない話ですが、微笑ましくて愛おしいエピソードです。それを話す彼女も愛おしい。
子供をもたなかったことを、こんな瞬間に、ちょっぴり実感したりします。羨ましいなあ、と素直に思います。
幸せそうに話す彼女を見ると、「ゆっくり大きくなってね」と思いました。
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