迷子の日記。行ったり来たり。

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【本の紹介】『竹青』by太宰治

ブログを始めて3年目の4月最後の日。

この投稿で400記事になります。

我ながらよく続いたと思いますが、更新が途切れればあっという間に読まれなくなり、再開しても以前の状態にはなかなか戻らない。

ブログはまるで生き物のようで、気難しいけれど離れがたい、愛着も確実に育っているようです。

 

こんなタイミングでなぜ『竹青(ちくせい)』なのかという気もしますが、『竹青』は1945年に発表された太宰治の短編小説です。

主人公は貧乏な書生。

意に染まぬ相手と結婚をしたが、30歳までにはひとかどの人物になりたいと、妻を殴って出奔する。

しかし、意を決して受けた科挙*1に落ちてしまい、カラスの生活をうらやましく思いながらうたた寝をしてしまう。

 

すると男が現れ、「それならば」と書生をカラスに変える。

そのときお供につけられたのが「竹青」という名のメスのカラスだった。

いわゆる「異界訪問譚」ですが、物語では、書生は「竹青」に魅かれ、そのままカラスの世界で生きようとするが、人間であったときにあれだけ醜く嫌悪していたはずの妻への愛情に気づくのです。

 

そして、人の世界に戻り、身の丈以上のことを望まず生きていくのです。

 

読む人ごとに、感じ方もあらすじの伝え方も変わってくるのかもしれないな、と思いながら、個人的には400記事という節目に、なぜだか紹介してみたくなりました。

 

 

過去記事>>

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*1:かきょ。中国の管理試験。日本では、現在の国家公務員試験のようなもの。