迷子の日記。行ったり来たり。

本当に本当に本人以外にはどうでもいいようなことをつらつらと書き連ねています。このブログにはアフィリエイト広告を使っています。

料理の苦手な私が作った食事がバランスが良いと先生に褒められた話

母は、自己免疫疾患に罹患しています。膠原病のひとつです。
罹病に気づいた時は貧血がひどく黄疸が出るほどでしたが、1か月の入院から約1年半が経過した現在は、なんとか普通の生活ができるようになりました。


この病気の治療薬には大量のステロイド剤が使われるので、骨密度の低下が避けられません。
1か月に1度を目安に、4つの科をそれぞれ受診していますが、内科で退院後初めての骨密度検査をおこないました。


先日の内科の受診日に、通常の血液検査や尿検査に加えて、骨密度の検査結果も伺ったときのことです。
「数値的には全く問題ありませんね。ステロイド剤の副作用を勘案しなくても、この年代(80代)の骨密度からいうと優秀です。食生活が良さそうですね」
こんなに優しいことばを伺ったのは、母が退院してから初めてのことでした。
嬉しい、と思い母の方を見ると、反応がありません。最近、聴力の衰えが著しいのです。
「SAWAさん。いつもいいものを食べているんですね。」
もう一度、先生が母に向けて、今度は少し声を大きくしておっしゃいました。
それでも反応の薄い母に
「お母さん、骨密度の結果、問題ありませんって。良いものを食べてるんですね、って先生がおっしゃってるのよ」と耳元で言うと
「あら、まあ、うれしい」と笑顔になりました。
先生も看護師さんも声を上げて笑って
「これからもこの調子でがんばってくださいね」とおっしゃってくださり、母は「はい、がんばります!」と元気に答えておりました。
 
人間は食べたものでできている、という言葉を聞いたことがあります。
30代の半ばくらいまで教えていただいていた生け花の先生は、ご家族の健康診断の結果が良いのはご自身の食事管理の成果だと自負している、とおっしゃっていました。
 
私は家事が苦手です。掃除も洗濯も料理もすべて得意とは言えません。
母が入院するときに、高齢者へのステロイド剤の大量投与にはさまざまな弊害があると伺いました。
通院に変わると、ステロイド剤の副作用で食欲が増進することがあるので、糖尿病になる危険性が高まる。体重管理をしっかりして、バランスの良い食事にするようにと言われます。
日々プレッシャーの中でメニューを考え、料理しました。
 
担当の先生から「食生活が良い」と言われたとき、不意に華道の先生を思い出し、その言葉の意味が分かった気がして嬉しかったのです。
 
このブログは「はてなブログ」を利用しています。
「はてなブログ」には、投稿テーマに悩む人のため「お題」と呼ばれるブログテーマを提供してくれます。
以前「なぜブログを書くのか」だったか「なぜブログを継続するのか」だったか、そんな感じのお題がありました。
いろいろと考えましたが、結局、文章にまとめられるような考えが浮かばなかったので投稿しなかったのですが、検査結果を伺った日から、あらためて考えるようになりました。
 
今私がブログを書く理由の1つは、記録のためです。
「はてなブログ」には、ブログの管理者が自分の記事を確認するのに「こよみモード」という画面があります。画面右には過去の同月に投稿した記事が3年分表示されます*1
見ると、休みがちの投稿を再開するのが同じ時期であったり、体調を崩したり花粉症に悩んだりするのが同じ時期であったりすることに気づきました。
下手な料理の記事が出てきて、こんなもの作っていたんだ、こんなもの食べていたんだ、と驚くこともしばしばです。

ブログをしていなければ、こんな風に過去を振り返ることなど粗忽物のの私にはできません。

 

母が退院してからの料理は、すべてではありませんが、写真とともに材料や作り方もメモに残してあります。
使った調味料や料理の手順のメモは結構参考になるのです。
ただ、メモや写真は、当初はブログ記事のネタのつもりで残していたものです。それが、雑事に追われるうち、メモはあちこちに山積し、写真はクラウドに埋もれてしまいました。

1つでも多く記事に起こして、自分のブログを見て料理をしたい。
テーブルの隅や調理器具の棚の端にあるメモを整理して、少しずつ記事にするようになってから、気持ちに変化があらわれはじめました。
ブログを書くことにもう1つ理由が見えてきたのです。
 
今私がブログを書くもう1つの理由は、同じような悩みを持つ人に見ていただくため。
家事全般苦手な私が、どうやって日々乗り切っているか、昨今の物価高騰をどう切り抜けているのか。
ブログを再開してから、時々ほかの方の記事を拝見するようになりました。心が動くのは同じような状況や大変な状況をなんとか切り抜けようとしている方々の文章です。


毎日の献立に悩んだり、料理するのを苦痛に感じていたりする人の中に「これならできそう」と思ってくれる人が一人でもいたらどんなに嬉しいでしょう。
「読まれるブログ」は、はてなブログPro


夜、ブログを書いていて、気づくと日にちを跨がってしまっていることがあります。
ある夜、テレビもつけないでパソコンを触っていて1時を回ろうとする頃、不意に静けさに襲われて怖くなったことがありました。その時ふと、階下に母が眠っていることに安心したのです。あれほど一人が好きだったのに、一人になることが急に恐ろしく感じられました。
 
高齢者の場合、ステロイド剤の投与によって認知機能が著しく低下することがあるそうですが、今のところ母の認知能力が急速に落ちたりはしていません。
母の食欲はステロイド剤が退院時の10分の1以下になった現在も相変わらず旺盛で、毎食完食してくれます。
以前、母が「どんなに上手に料理をしようと、誰かのために作るのでなければ意味がないのよ」と言ったことがあります。今、私が母のために料理をし、母が毎日それを食べていることを、あの頃の母が見たらなんと言うだろう、と時々考えます。


メニューは経済動向に左右されながらも、少しずつバリエーションは増えてきました。とくに腕を上げたわけではありませんが、これからも時には創意工夫を凝らしながらなんとか乗り切っていかなければなりません。
母の検査結果は、今の私にとって料理のモチベーションを維持するための大事な指標です。

*1:3年分は間違い。私が同月に3年分しか書いていないということで、それ以上記事があれば表示されるようです