コロナは終わったわけじゃない!今こそ知っておくべき現状と備え
初回投稿日:2023/08/30 最終更新日:2023/09/12
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CONTENTS
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コロナに罹った!?(我が家の場合)<( _ _ )>長文です(所要時間4分)
7月半ばの土曜日の朝、リビングで寝間着姿の母が私を呼びます。
「MAYU、なんだかお母さんちょっと変なのよ」
見ると顔が真っ赤です。
「立てないの」
立ち上がる仕草をしながらよろよろとしゃがみこんで母が言います。
立ち上がるのを助けようと脇に手を差し入れると熱い。
「お母さん、熱があるんじゃない。もしかして…コロナ?」
言い終えないうちに、母が強く否定します。
「違うわ、絶対に違う!」
それでも、声はかすれた鼻声で、よくわからないけれど何となく確信がある。
とにかく布団に休ませ、熱を測ると37.5℃。
ほぼ確定です。
***
発熱の約1週間前、母が胸が苦しいと言います。
「昨晩は辛くて眠れなかったのよ」
普通に食事をしながら喋るし、今は何ともないと言うのでそのままにしていました。
その日は内科の受診日で、母は診察時に先生に同じことを話します。
「どんな感じで痛むの?」
「胸がかきむしられるような痛みです。もう死んでしまうんじゃないかと思うくらい痛いんです。どんなにしても眠れないんです。」
母は切実な様子で訴えます。
「うーん…検査結果は順調だし、今、診たところ異常はみられないし…。何か不安なことでもあるんだろうか」
言いながら先生は私の方を窺うように見ます。
食欲もあり、日常生活に変わったところはないと伝えると
「じゃあ、カロナール(200mg。解熱鎮痛剤)を出しておきましょう。これは、子どもにも安心して処方できるものだから。通常は1回に2錠。痛いときに飲んでね」
「あら、助かります」嬉しそうに母が答えました。
翌日は泌尿器科の診察日。
母はまた、同じことを同じ調子で先生に話します。
「でも、お薬出してもらったんでしょう?」
「ええ。それを飲んでもちっとも効かなくて。とんぷくだからもう一度飲んだんですけど全然効かなかったんです」
そんな話、家ではしていなかったのに、と思っていると、先生が
「今日は(内科の)主治医の先生はいらっしゃらないけど、内科の受付に行ってどうするか聞いてこられますか?」とおっしゃる。
面倒だな、と思いながら母に聞くと「ぜひお願い」と言うのでしぶしぶ内科受付に行きました。
内科受付では、主治医がいないので泌尿器の担当医にもう一度相談して、救急外来宛て紹介状を出してもらうように言われたので、再び泌尿器科の受付に行き、事情を話して紹介状をお願いしました。
「救急受付はあと10分くらいなので、急いで行ってください」受付の方に言われて、場所を教えていただきバタバタと救急外来へ。
***
長々と書きましたが、そこで受付けの方に案内されたのが「発熱外来」の待合でした。
その日の母の体温は平熱で、熱はありません。
しばらくして、予診のため看護師さんがいらっしゃり、慌てて「ここは熱のある方の待合なので、あちらへ行ってください」と案内されました。
入念な消毒の後、担当の先生の診察を受け、やはり「異常なし」と診断され、追加のカロナールを処方されてその日は終わりました。
***
母の治療薬にはステロイド剤が多量に含まれています。
そのため、日中の外出は極力避けなければなりません。
その上、この暑さです。
ひと月に2、3度、お友達が訪ねてきてくださったり、親戚に行ったりするくらいで、他人と接する機会はあまりありません。
風邪(コロナ?)の症状が治まってからは、母は全く胸の痛みを訴えなくなりました。
コロナ(のような)症状の原因が胸痛だったのか、発熱待合に小一時間座っていたからなのかは結局わからずじまいです。
療養中の食事と薬
症状が出たのが土曜日だったので、とりあえず近所のドラッグストアに駆け込み「葛根湯」を買いました。
食欲がまったくない母にゼリー飲料でもと探していたら、薬剤師さんが「葛根湯飲むならゼリー飲料よりも、これがおすすめですよ」と高麗人参の入ったドリンク剤を勧めてくださったので、少し高価でしたがそれも買いました。
葛根湯をはじめとする漢方薬は食間に飲むものが多く、空腹時に飲むことができるので助かります。
葛根湯は飲み合わせを考慮する必要もなく(例外はあるかもしれませんが)、「コロナに有効」という情報もあります。
母の好きな「ぽってり」としたお粥を作っても「欲しくない」と言うので、ドリンク剤と葛根湯だけ飲ませて様子をみました。
夜になっても食欲は戻りませんでしたが、ヨーグルトだけは口にできました。
ヨーグルトはのど越しが良く食べやすいので食欲がないときにおすすめです。
水分だけはしっかり取れるように、枕元にもリビングにも水筒を置いておきました。
***
「発熱時の解熱剤はなるべく服用しないほうが良い」と言うのを聞いたことがあるので、処方されたカロナールは飲まないようにしていましたが、「カラダが痛いのでどうしても」と言うので、夜、2錠渡しました。
夜中に、目覚めてさらに服用したのを知ったのは翌朝のことです。
***
日曜日になると、母の調子はみるみる快方に向かいました。
それでもお粥は欲しくないと言うので素うどんを作ると、お椀一杯分でしたが完食です。
夜には、お粥にだしを足して卵雑炊にしたのを食べ、翌日(月曜日)からは徐々に普通食に戻しました。
***
月曜日になると、母の回復とは逆に、私の調子が悪くなりました。
喉の痛さが普通ではない。
熱を測るといつも通り35.5℃だったので、母のカロナールをもらって飲みました。
診察してもらえない!?
月曜の朝、母が通院している総合病院に電話をかけました。
状況を伝えると、開口一番言われたのが「うちには来ないでください」です。
けんもほろろの突き放した言い方にショックを覚えながら「では、どうしたら良いのでしょう」となおも聞くと
「師長に変わります」
想像しなかった対応にドキドキしましたが、対応してくださった看護師長さんはとても丁寧に話してくださいました。
- 総合病院は、通院中の科があっても、発熱中や発熱後間もない人は来院を断っている
- 5類に移行したので、できれば近隣の開業医で受診してほしい
- どうしても総合病院の受診を希望する場合は、救急外来で初心者扱いになる(初診費用として別途約8千円が必要)
- 5類に移行したので、来院には公共交通機関やタクシーを使って構わない
説明を伺い、総合病院を受診するのはあきらめました。
「極力来ないでほしい」という意向が手に取るように伝わってきたのと、タクシーに片道1時間近く乗ってまで行く甲斐はないと感じたからです。
***
師長さんの説明を受けた後、母が入院前にお世話になった医院をネットで調べました。
県のサイトが公表している「発熱外来対応機関」にその医院の名前が載っています。
安心してタクシーを呼びました。
***
コロナで行動制限が出ている間に2度、その医院にはお世話になっています。
いずれも普通に入ることができました。
それが、タクシーを降りて、医院に入ろうとすると休診日でもないのに鍵がかかっている。
強い日差しが照り付ける中、庇のない場所でめまいがしそうです。
タクシーは私たちを下ろすとすぐに去っていきました。
よく見ると扉に張り紙があります。
「熱がある方は、受診前に電話で連絡してください。」
記載されている番号にすぐさま連絡しました。
私「今、表にいるんですけれど」
受付「どうされました?」
私「風邪です」
受付「今は、風邪の方は電話診療のみにしてるんですけれど」
私「確認しないで来てしまい申し訳ありません。では、中へは入れないのですか?」
受付「とりあえず、行きます」
ふわふわと立っている母を見て、看護師さんが中に入れてくださいましたが、倉庫のような部屋へ隔離されました。
「ごめんなさいね。電話診療になるので、先生からの連絡を待っていてください」
携帯番号を伝えて、約1時間、書類と大きなゴミ箱が数個置かれただけの小さな部屋で母と二人じっと電話を待ったのです。
処方薬が市販薬!?
「それ、きっとコロナですよ」
メモしていた経緯を電話口の先生に伝えると、先生がおっしゃいます。
「検査はしました?うちは発熱外来はやってないんでね、検査ができないんですよ。」
検査はしていないと答えると
「最近はみなさん、ご自身で薬局で検査薬を買ってコロナかどうか確認なさってますよ」
どうしてよいか分からなくなりました。
「では、このまま帰った方が良いですか?」と聞くと
「良かったら薬出しますよ」とおっしゃる。
「薬は出してくださるのですか?」重ねて聞くと
「もちろん、もちろん。せっかく来たんだからね」
少し安堵して「お願いします」と答えました。
「コロナの特効薬ではないけどね、総合感冒薬が効くのでそれを処方しましょう。お母さんのように持病がある方には処方できないので、葛根湯を出しますね。トローチ要ります?ポビドンヨードのうがい薬も要るよね」
先生の口から出てくる薬が、ニュースで見たことのあるもののオンパレードで愕然としました。
処方されたのは、
- PL総合感冒薬
- 葛根湯
- ポビドンヨード(イソジン)のうがい薬
- トローチ
です。
全部、ドラッグストアで購入できる…。
やってはいけないこととやらなければならないこと
風邪を引いて、のどの痛み方がいつもと違ったり、37.5℃以上の熱があったりしたらCOVID‑19の感染の疑いがあります。
発熱が認められても、むやみに解熱剤を飲まないようにしましょう。
対症療法的に解熱剤で熱を抑えると、根本的な原因が見えづらくなるからです。
COVID‑19は、完全におさまったわけではありません。
安易に病院に行くと、ほかの患者の方々にうつす可能性があります。
受診する際は、受診科を問わず、事前に電話連絡するようにしましょう。
内科や総合病院だけでなく、歯科も耳鼻科もその他多くの専門クリニックが以前にも増して患者同士の接触を避けるような仕組みを作っています。
事前に連絡して受診可否や受診ルールを確認することで、患者も医療機関も安心して本来の診療ができる(受けられる)のだと痛感しました。
終わりに
こんなに診察を受けるのが難しくなっているとは想像もしませんでした。
コロナ(COVID‑19)は終息したわけではありません。
医療現場は以前より深刻な状況にさえ感じられます。
今回の経験を機に、日常的にできる「手洗い」や「うがい」の継続はもちろんのこと、処方薬と同等の効果が認められている市販薬は常備しておくべきだとつくづく思います。
処方された薬はどれも、ドラッグストアやネットで簡単に購入できます。
1. パイロンPL顆粒Pro
パイロンPL顆粒Proには処方薬と同量の成分が入っています。
3~4日分あれば安心です。
2. 葛根湯
葛根湯は多くのメーカーから発売されていますが、購入する際は「満量処方」と記載されたものを選ぶのが良いそうです。
配合されている成分が、承認基準の最大量なのだと薬剤師さんが教えてくださいました。
3. ポピポビドンヨードドンヨードのうがい薬
イソジンと言った方が伝わりやすいかもしれません。
対症療法さえままならなかった頃、一時的にマスコミにもずいぶん取り上げられていました。
使うときは、痛い喉に刺激が強すぎるので、表示されている分量よりかなり薄めて使うのが良いそうです。
4. トローチ
炎症を抑えるだけでなく殺菌効果もあります。
のどの痛みは風邪の初期症状にもよく見られます。
トローチとうがい薬は、ワンセットで備えておくのがおすすめです。