迷子の日記。行ったり来たり。

本当に本当に本人以外にはどうでもいいようなことをつらつらと書き連ねています。

逃避

初回投稿日:2022-03-10

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さっき淹れたばかりのコーヒーが

あっという間に冷めてしまう

そんな

寒さが好きだ

 

ゆるゆると

生温くなってゆく

ああ

また

春が来る

 

照りつける太陽の

じりじりとした

夏が怖い

 

できることなら

秋が来る前に

逃げていきたい

 

走り出したいけれど

行き先がわからないから

飛び出しても

行き場所がないから

このまま

消えてしまいたい

 

誰の終わりも

見届けず

誰にも終わりを

見られないよう

このまま

消えてしまいたい

 

 

【ささやかな幸せ】ショートケーキをいただきました

初回投稿日:2022-03-09

お題「ささやかな幸せ」

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我が家の寒椿

請負の仕事の納品日だった今日は朝から忙しなく、締め切り時間と戦うように過ごしていました。

最近は、納品してから次の発注が届くまでの半日から1日の時間がとても貴重です。

 

掃除機をかけたかったのですが母が昼寝をしていたのでサボることにして、昼食の後片付けや溜めていた「手洗いモード」の洗濯をしました。

 

一通り台所が片付いたので、庭に出て賑やかになりつつある寒椿を写真に収めます。

遅咲きでしたが、固かった蕾が次から次へとほころんでいます。

 

洗いあがった洗濯物を二階に干していると、呼び鈴が。

「はい、はーい」と大声を上げながら慌てて下に降りると、お向かいの山田さんです。

 

「これ、ちょっと食べ助けしてくださらない?」

ショートケーキを持ってきてくださいました。

 

娘さんがご夫婦で洋菓子店をなさっていて、ときどきこんな風におすそ分けしてくださるのです。

 

「まあ、うれしい」

つい、声が出てしまいます。

即座に、「はしたない」と反省しますが、出てしまったものは仕方がない。

 

「お母様は?」

「今、昼寝中です。起こしてきますね」

 

リビングに駆け込んで、母を起こします。

 

寝ぼけ眼の母は、補聴器も付けずに玄関に出たものだから、山田さんとちっとも話が嚙み合いません。

 

「お隣の田中さんにはシフォンケーキをあげたの。ご主人が、ほら、甘いものダメでしょ」

「まあ、シフォンケーキ大好きよ」

 

もうドキドキです。

 

「ショートケーキ一度に6つもは無理かしら?どれかお好きなの選んでくださる?」

「まあ、どれも美味しそうだわ」

 

「じゃあ、うちにもまだあるから、全部、助けると思って食べてちょうだい」

 

山田さんは、いつでもスマートな方です。

 

とにもかくにも、こうして6つのショートケーキをいただきました。

ケーキって、自分で買うのも楽しいけれど、人からいただくのって本当に幸せな気分になれます。

ありがたい。

 

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早速、紅茶を淹れていただきました。

もともとシフォンケーキの専門店なので、スポンジが独特で苺の酸味と生クリームのバランスが癖になるようです。

 

あとまだ4つ、楽しみが残っています。

 

私は、15年以上マンションで一人暮らしをしていましたが、賃貸マンションではご近所づきあいと言ってもエレベーターで一緒になるとき挨拶するくらいのものです。

 

面倒なことを切り捨ててしまえば、こういった人間関係も築くことができません。

「母はしっかりこの場所に根を張って生きてきたのだなあ」最近は、こんなことを考えることが増えてきました。

 

 

今日淹れたのは、伊藤園アールグレイ

オレンジの風味が気に入っています。

 

【昨年の椿】

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【母と暮らせば】母の初恋(藤井風さん)

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初投稿日:2022/3/8

 

きっかけ

藤井風さんのことを知ったのは、地方紙の文芸欄の記事を見たのがきっかけでした。

そこには「地方の言葉をR&Bに乗せた独特の歌詞と歌唱法が特徴」とあったような気がしますが、正確には覚えていません。

 

アルバムのジャケット写真が紹介されていましたが、そのオシャレな雰囲気と「地方の言葉」がどうも上手くマッチしないのがかえって印象的でした。

 

当時、というか今も、かもしれませんが、「方言を使った曲」と聞くとついコミックソングを思い浮かべてしまいます。

奇をてらった、一過性の音楽かと、そのときは思ったものでした。

 

それが確か新聞記事と同じころだったと思うのですが、当時よく拝見していたブログのなかに藤井風さんを紹介した文章を見つけて、「方言に惑わされてはいけない(?)」とリンクを辿ってみたのです。

 

衝撃的でした。

「何なんw」

イントロから洒落ていて、カッコいい。

声も低くて素敵だ。

だけど…え?

「歯にはさがった青さ粉」や「肥溜にダイブ」などと、到底歌詞になりえない言葉が耳に残ります。

 

「あんた」はいろいろな人が歌っているけれど、一人称が「わし」なんて聞いたことがない。

 

「付き合っている彼女が、自分の手を振り切って新しい世界へ一人で旅立っていったことを嘆く歌かしら?」

 

それにしてはMV*1からは、恋愛の雰囲気は一切感じられません。

むしろ善と悪がひしめき合っているように見えます。

 

YouTubeには、ご本人によるこの曲の解説動画が挙げられていました。

それによると、「何なんw」は「ハイヤーセルフを探そうとする歌」だそうです。

動画のタイトルが「"何なんw"って何なん」です。

 

何か…すごい。

 

彼は常に、自分の中の自己と対話をしています。

根底にあるのは、常に「愛」です。

 

もちろん恋愛も含まれるでしょうが、彼が見ているのは、そのもっと根底にある人が人として生きることにつながるもの。

スピリチュアルな世界というと敬遠してしまう方もいらっしゃるでしょうが、彼の言うスピリチュアルとは、それぞれの内面にあるすべての形あるものから解き放たれた「無垢」を指しているのだと思います。

 

そして、常に無垢なる我と対話しているはずなのに、ときどきなぜか道を誤ってしまう。

それが「何なんw」

 

若干22歳くらいのときの詩だと知って、どんな時間を過ごしたらこんな詩が書けるのかと圧倒されました。


www.youtube.com

 

さよならベイベ

故郷を離れるときに作った歌だそうです。

来んと思った 時はすぐに来た

時間てこんな 冷たかったかな

これまで時間の流れを表すのに「冷たい」と表現するのを見た記憶がありません。

とても共感できる表現です。

 

タイトルから「木綿のハンカチーフ」のような恋人との別れを思い浮かべていましたが、詩を良く読んでみると、そんな甘酸っぱいものではありませんでした。

 

彼のインタビュー動画の中で「ずっと故郷を離れるつもりはなかった」という発言がありました。

インスタグラムに上げていたらしい家族写真には、年老いたご両親の姿があります。

4人兄弟の末っ子らしい彼にはお兄さんが1人とお姉さんが2人いらっしゃり、皆すでに独立しているようです。

そんな背景を考えると、ご両親を残して上京する辛さや、捨てきれない音楽への情熱が伝わってきます。

 

新しい扉を叩き割った

前に進むことしか出来ん道じゃから

泣いとる時間もないようになるけどな

 

古い歌謡曲のように聞こえていたメロディーには、不退転の決意が込められているのだと感じられました。

 


www.youtube.com

 

母の初恋

母に藤井風さんのことを教えたのは、最近急激に体力も気力も衰えてきている中、新聞に目を通すことだけは続いているので、共通の話題にいいかな、と思ったからでした。

 

最初、「何なんw」のMVを見せた時は「良くわからないわ」と言っていましたが、NHKでドキュメンタリーが放送され、見入ってしまったらしいのです。

 

それから「風くん、風くん」と毎日、風さんの話題です。

「風くんに会いたいわあ」というと、何か動画を見つけて母に見せます。

 

私の勝手な解釈で「さよならベイベ」を解説したところ、涙ながらに「親思いの優しい人なのよ、風くんは」と想像以上にはまり込んでしまいました。

 

「お母さんは80年も生きてきたけれど、今まで一度も人を好きになったことなんてなかったの。」

「それが、この年になって人を好きになるなんて」

とちょっと頬を赤らめる様子は、見ていてこちらの方が恥ずかしくなるようです。

 

「今日はね、美容院で風くんのこと話したのよ。そうしたら”お若いですね”って言われちゃった」とか

何年かぶりに電話をくださったお友達に

「風くんのこと話したら、”知ってる”って言ってたわ。もう好きで好きで仕方ないって話したら”あらそう”って言われたの」

などと言います。

 

もう、別な意味で私はドキドキが止まりません。

それでも、この年になって恋する母の姿が見られるのは、とても幸せなことなのだと思います。

「笑顔がいいのよ」

「声がいいのよ」

と毎日、毎日、”風くん”のことで頭がいっぱいのようです。

 

「行けるものなら、風くんの住んでいた街にも行ってみたいわ」と言いますが、足が悪い母を連れて、車の運転もできない私が電車を乗り継いで出かける自信はありません。

ゴメンナサイ。

 

おわりに

藤井風さんの曲には、どれも、生きる目的や方向を見つけた人の苦悩と歓びが描かれています。

生きる目的もやりがいも見つけられないでいる私は、毎日がしんどくて仕方ありません。

それでも、風さんの描く歌は、「今この地球上にいるすべての人が学びの途中」だと教えてくれます。

そして、年老いた母のことも境界線を引くことなく受け入れてくれているようです。

 

ファーストアルバムの『HELP EVER HURT NEVER』には「常に助け、決して傷つけない」という意味があるそうです。

 

*1:ミュージックビデオ(music video)の略。

【顎関節症】上顎の真ん中が硬いのは「口蓋隆起」かも?

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初回投稿日:2022/3/7

 

花粉症の季節が近づくと、鼻だけでなく喉の奥の方もムズムズしてきます。

ムズムズするのは真夜中だったり、早朝だったり、タイミングは問わないので本当に不愉快です。

 

不調を感じたときの癖で、舌で上顎の辺りをゴロゴロとなぞってみるのですが、「あれ?何か硬い」と気づきました。

 

もう何年も前のことです。

 

硬い異物についてはすっかり忘れていたのですが、つい先日、また例の不快感と癖で喉をゴロゴロしていると、妙に硬さが気になります。

真夜中のことだったので、翌朝起きてすぐネットで調べました。

 

もしかしたら「口蓋隆起(こうがいりゅうき)」かもしれません。

数々の歯科クリニックが公開なさっている写真には上顎に瘤状のものが映っていて、一見しただけで「ぎょっ」としますが、基本的に放置しておくものらしいです。

 

原因の1つには、強い噛み締めや歯ぎしりがあるそうで、まさに顎関節症と重なります。

 

花粉症の時期は鼻が詰まって夜中に息苦しくなることがあるので、顎関節用のマウスピースが負担に感じられます。

 

つい「今日だけ」とマウスピースを装着しないで寝て、「明日はちゃんと付けて寝よう」という言い訳も空しく、次の夜もまた次の夜も、とマウスピースを付けないで眠る日が続いていました。

 

噛み締めや歯ぎしりなどの強い力が加わり続けると隆起は大きくなるらしく、摂食障害や発音障害を起こすことがあるそうです。

口蓋隆起は「骨隆起」とも呼ばれ、ひどくなると外科手術で除去しなければならないと知ったので、今夜からまた、マウスピースをしっかり装着して寝ようと強く心に誓いました。

 

それにしても、明らかに以前より隆起がはっきりと感じられます。

来月のデンタルチェックでは、先生に伺ってみようと思います。

 

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リズミカルな数字♪継続はまさに力、です!

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初回投稿日:2022/3/6

 

今日は、不安になるくらい眠い。

昨夜は少し寝つきは悪かったのですが、それでも十分6時間以上は眠ったはずです。

 

最近ちょっとしたことがあって、日々の不安の度合いが増してしまいました。

ちょっとしたこととは「当てが外れる」とでも言うのでしょうか、期待していたことが「叶わないのだろうなあ」と察せざるを得ない状況になったのです。

 

あまり落胆しないようにある程度想定はしていましたが、自分が思った以上に精神的にダメージを受けたのかもしれません。

 

請負の仕事はまだ残ってはいますが、明日の締め切り分はもう納品したので、こんな日は時間に追われることはしないでおこうと思いました。

 

途切れがちになっていたブログは、あと一歩で500記事になります。

始めたころの「毎日投稿」への執着は、実家に戻って請負の仕事を始めてからどこかに放っていましたが、次に自由に書く余裕を失ってしまうときは自分の生活自体が急激に変わるときだと思うと、なんでもいいから書き続けていたい衝動に駆られます。

 

今朝、ブログの画面を開くと「73737」の数字が目に飛び込んできました。

 

どんよりと沈んだ気分だったはずなのに、どことなくリズミカルな数字に気づいた途端弾んだ気持ちになります。

 

ブログを始めて約2年半。

恥ずかしくなるような文章が、ときどき驚くほど読まれたりもします。

 

最近では、2年前に公開した投稿をバレンタインデーにたくさん読んでいただきました。

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自分の意識しないところで続いているのだな、としみじみ。

 

数日前、久しぶりにブログ画面を開くと、はてなスターの付け方も変わっていてびっくりしました。

戸惑いは続いたままでしたが、今朝の数字が弾んだ気持ちにしてくれたので、何にもなかった一日も残しておいてみようかな、と思ったのです。

 

ゆるゆるとでも続けていたから、見ることができたのですね。

73737♪

【映画の紹介】『望み』

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初投稿日:2022/3/5

 

映画『望み』の公開は、2020年10月9日です。

原作は雫井脩介(しずくい しゅうすけ)氏の同名小説。

 

監督は堤幸彦氏で、

主人公の石川一登(いしかわ かずと)を堤真一さん

妻の石川貴代美(いしかわ きよみ)を石田ゆりさん

長男の石川規士(いしかわ ただし)を岡田健史さん

長女の石川雅(いしかわ みやび)を清原果耶さん

が演じています。

 

※本映画(小説)は、ミステリーです。今回、結末を書いてしまっているので内容を知りたくない方はご注意ください。

 

***

 

外からは平穏に見えても、内実は夫の浮気や息子の引きこもりなど問題を抱えている家庭は多い。

けれど、舞台となる石川家の家族は、長男が事件に巻き込まれるまでは本当に穏やかでした。

 

ある日、息子は家に戻らず行方が分からなくなります。

 

息子は高校のサッカー選手でしたが、怪我が原因で引退し、素行が悪くなります。

良くない仲間と夜遊びして帰って来ないこともしばしばです。

 

「一晩帰らないからと言って騒ぎ立てるのは」と話していたところテレビで地元の殺人事件のニュースが流れてきます。

殺されたのは息子の高校の同級生で、被害者はもう一人いるらしい。

逃げた犯人は複数いて、特徴が息子と合致する。

 

家族の関係や家族を取り巻く周囲の状況が瞬く間に変わっていきます。

 

設計士をしている夫は、施主から設計の依頼を断られ、施工中の家を担当する工務店からも一緒に仕事はできないと言われます。

中学3年生の妹は、予定していた受験校の出願をあきらめなければならないかと悩むのです。
学校では殺人事件の話でもちきりで、兄が事件に関わっているのではと陰口を叩かれるようになり、徐々に学校にも塾にも行きづらくなります。

 

連日のように家にはマスコミが訪ねてきて、外壁には落書きや生卵がぶつけられるなど心無い嫌がらせが続き、家族は追い詰められていくのです。

 

***

 

無実の罪を着せられたり、犯罪加害者の家族になったりするドラマ(映画)では、必ずわきまえのないマスコミや正義を振りかざす市井の人々の様子が描かれます。

 

かましくて思慮分別のない様子はまさに暴力そのもので見ていて非常に不愉快ですが、1つの型のように描かれるということは、実際にも同じような状況があるということなのでしょう。

 

けれども、現実にはそのようにして取材・撮影された情報で私たちは事件のことを知るのかもしれないと思えば、単純に批判したり否定したりすることは矛盾している気もします。

 

ここぞとばかりに関係のない人が事件現場や関係者の下を訪れるのは、理解できないのですけれど。

 

映画では、追い詰められた時の家族それぞれの心情を象徴的に描いています。

 

夫と娘は「たとえ命を落としていたとしても被害者であってほしい」と願い、妻(母)は「たとえ人を殺していたとしても生き長らえていてほしい」と願う。

 

***

 

映画は、家族が再生していくことを示唆して終わります。

 

ただし、息子は加害者ではありませんでした。

そして、死に際の様子、事件に巻き込まれる前の前向きに生きようとしていた姿をあるジャーナリストを通じて知るのです。

 

家族が日常生活を奪われていく様は胸が締め付けられるようでしたが、物語の終わりについてはいろいろと考えさせられました。

 

なぜ息子を犯人として描かなかったのか。

なぜ息子の生きた背景を詳らかにしたのか。

なぜ、ひたすらに息子の生存を信じる母親にしたのか。

 

息子が被害者で、本当は前向きに将来を考えていて、母親は世界中を敵に回しても我が子を愛する。

これが基盤になければ、家族の再生はなかったのでしょうか。

それぞれの迫真の演技が、急にリアリティというよりファンタジーに感じられました。

 

 

 

映画を観ていたときは終わり方に安堵したのに、振り返ると「ファンタジー」だなんて。

原作を読んでから、もう一度考えてみたいと思います。

 

 

【映画の紹介】『マチネの終わりに』

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初回投稿日:2022/3/4

 

映画『マチネの終わりに』は平野啓一郎さんの同名小説が原作です。

2019年の11月に公開されました。

 

主人公は、クラッシックギタリストの蒔野聡史とフランスでジャーナリストとして活躍している小峰 洋子。

蒔野聡史を演じるのは福山雅治さんで、小峰洋子を演じるのは石田ゆり子さんです。

 

***

 

華やかな背景を舞台に、独身の男女が出会い、さまざまな偶然や関係者の思惑が重なって、互いに惹かれながらも一度は別々の人生を歩みます。

 

行違ってしまったものの、心の奥底では互いのことを忘れられないでいた二人は、ある日再会することになります。

 

それぞれ、家庭を持ち、子どももいます。

 

別々の場所で誤解のいきさつを知った二人の再開の場所は、再起をかけた聡史のニューヨークのコンサート会場でした。

 

***

 

普段、あまり映画でラブストーリーは見ません。

つい自分の記憶と重ねてしまったり、設定に全く共感できずに置いてけぼりを食ったりして、見る行為だけでなく自分の感情も面倒くさくなってしまうからです。

 

今回もそうでした。

 

聡史と洋子の仲を裂くのは、長年彼を思い続けていた聡史のマネージャーです。

タクシーに置き忘れた聡史のスマートフォンを取りに行くのを口実に、洋子からのメッセージを盗み見て勝手に別れのメッセージを送ります。

 

「ああ、こんな人、いる」思い出したくない顔が浮かんできて憂鬱になる…。

出会いも別れもなんて陳腐で稚拙なの…とつい作品に悪態をつきたくなります。

 

最後まで観たのは、主人公を演じた福山雅治さんと石田ゆり子さんが、何というか…潔く見えたからです。

 

お二人とも、見事に中年男と中年女でした。

若作りすることなく、年相応の。

 

映画は、コンサート会場の近くにある公園で終わります。

池を挟んで、二人は互いの姿を確認し、うっすらとほほ笑むのです。

 

大団円と感じるか、ふたたび互いの生活に戻ると想像するか、感じ方は人それぞれです。

 

 

原作の『マチネの終わりに』は、第2回渡辺淳一文学賞を受賞なさっています。

 

映画の終わり方が気になるので、原作を読んでみようと思います。