初回投稿日:2020-03-04 更新日:2020-03-01
もくじ
1. 日曜日のはなし
今年こそは!と思いつつ、ものぐさな私は「明日こそ」「明日こそ」とついつい後回しにしてしまっていたのですが、やっと出しました。3月1日に、お雛様。
「出す」というほどのものでは決してないのです。木箱から取り出すだけ。木箱には、男雛と女雛が入っているだけです。
「これだから私は、いつまでたっても・・・」などとちょっぴり自己嫌悪を感じながら、「長いこと放っておいてゴメンナサイ」とお雛様に謝ってみます。
チェストの上に、向かって左に男雛を、向かって右に女雛を置いてみる。「ああ、やっと。本当にごめんなさいね」よく分かりませんが、すまなさが湧いてくるようで。
何年かぶり。やっとお勤めを果たした気分になるのは不思議です。
この日はコロナウイルスのお陰で、一日中家で過ごしました。一日中家にいたので確定申告も済ませ、掃除に洗濯、色々とはかどりました。
※確定申告は、e-Tax(電子申告)がカンタンです。確定申告については、期間前から「やらなきゃ」とプレッシャーだけは感じていたので、終わった途端、すっきりとした解放感がありました。
2. 頂いたお雛様
飾ったのは、知人からいただいた大内人形のお雛様です。大内人形は、山口県の漆塗りの工芸品です。当時、結婚したばかりの知人が、ご夫婦で山口に旅行に出かけて買ってきてくださいました。
コロンと丸いお雛様は、何とも愛らしく、愛おしいです。
※写真が上手くアップロードできません(-"-) NTTコムウェアのサイト ↓に大内人形が掲載されています。
戦後、雛人形など手が届かなかった人々が大内人形を雛人形に見立てたことから、大内の殿様と姫君のむつまじい仲をしのぶ一対の内裏雛が生まれたという。
思い出せば、もう20年近く昔の話になりますが、その頃、色々な方からお雛様をプレゼントしていただきました。
派遣社員として働いていたころは、派遣先の支社長から流し雛をいただいたこともあります。
流し雛(ながしびな)は 雛祭りのもとになったといわれる行事。「雛流し」ともいわれる。
いろいろな方が、呑気な私自身より私の行く末を案じてくださっていたのかもしれません。
3. ひな祭りについて
男雛を向かって左に飾るのは関東、右は京都だそうです。
現在一般に広く売られている雛人形は関東雛と言い、向かって左にお殿様が座っているものになります。逆に向かって右側にお殿様が座っているものは京雛と言われます。
私の家では、ずっと関東雛の並びで飾っていました。
ひな祭りの日にちも、幼いころから4月の3日まで飾っていました。お祝いは、3月の3日でしたけれど。
母の手作りのちらし寿司とお雛あられが定番でした。
※折角、3月1日に大内人形を飾ったのに、昨日の3月3日中に記事を書き上げることができませんでしたが、新暦の4月3日までひな祭り、と言うことで、しれっと公開してしまいます。
江戸時代までは、和暦(太陰太陽暦)の3月の節句(上巳、桃の節句)である3月3日(現在の4月頃)に行われていた。明治の改暦以後はグレゴリオ暦(新暦)の3月3日に行なうことが一般的になった。一部の地域では、引き続きに旧暦3月3日に祝うか、新暦4月3日に祝う(東北・北陸など積雪・寒冷地に多い)。
4. 母の夢
もう10年以上前の話になります。父が亡くなって暫く経った頃、近所の公民館で、母が絵手紙を習い始めました。
生前の父は、気難しく偏屈なところがあり、母の社交を嫌っていました。そのため、母は、自分の意思で何かの団体に属したり、気安くお友達と出かけたりすることがほとんどありませんでした。
ですから、父が亡くなったばかりの頃は、自分の気持ちもあまりはっきり言葉にすることはありません。
もっと自由に生きてほしい、そんな風に思っていましたが、その最初の一歩が公民館デビューでした。
公民館とはいえ、様々なクラブ活動があり、参加する方々は皆、真剣です。
それまで趣味らしいことも何もしていなかった母は、周りの方々に圧倒されてばかりでした。
それでも、身内びいきと言うのでしょうか、初めて見る母の作品は、どこか滑稽で愛嬌があり、味わい深く、私はとても好きでした。
残念ながら、周りの方々の真剣さと上手さに圧倒され、結局、数年で止めてしまったのですが、2回だけ文化祭に参加しました。
初めての文化祭は3月でした。
「準備が大変なのよ」と言いながら、「必ず見に来てね」とうきうきと話す母の作品を見に、公民館に出かけて、びっくりしました。
描いていたのは、私の大内人形のお雛様です。
しかも、肝心の文面はたった一文字。
「夢」
男雛と女雛の上に大きく一文字「夢」と書かれていたのです。思わずのけぞってしまいました。そして、無邪気な母の作品を前に、少しだけ鼻の奥がつーんとしてしまったのです。
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